残照 2021 11 14
知人から、日本のバブル経済の話を聞いたことがあります。
日本のバブル経済とは、不動産バブルのことであり、
1990年前後の話だったと思います。
上野駅から電車で1時間近くかかるところでも、
不動産バブルの影響が出ていたという。
知人が駅前のマンションを買ったら、
すぐに値上がりして、
買値よりも中古価格のほうが高くなったので、
マンションを売却してローンを完済して、
さらに売却利益で一戸建ての家を買ったという。
そのマンションには数年しか住まなかったという。
高騰する不動産に対して、
「サラリーマンが購入できない」という不満が高まったので、
政府と日本銀行は、バブル退治を始めることになったのです。
金融機関に対しては、不動産融資の総量規制、
不動産業者に対しては、土地取引の監視強化、
さらに金利の引き上げがありました。
このような政策で不動産バブルの沈静化を図ったのです。
しかし、沈静化どころか崩壊まで進んでしまったのです。
不動産価格が右肩上がりに上昇していたのが、
一転して、右肩下がりに下がり続けたのです。
都心のある地域に至っては、
価格が10分の1まで下がったと聞いたことがあります。
これが何を意味するかというと、
銀行から見れば、優良債権が要注意債権になり、
さらに不良債権になっていったのです。
これは、銀行の経営体力の減少を意味します。
海外からも、日本の銀行の不良債権が問題であると指摘されました。
そこで、銀行は不良債権処理に取り組むことになったのですが、
銀行から融資を受けている企業にとっては、
「貸し渋り」や「貸しはがし」になり、
日本の不景気に拍車をかけることになったのです。
現在、中国の不動産バブルが、
日本と同じような経過をたどるのか注意する必要があります。